Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

11月30日 杉田水脈を訴える裁判に出て

牟田和恵、岡野八代、伊田久美子、古久保さくら4人が杉田水脈を提訴した裁判の傍聴に行った。4人は大学の教員で、科学研究費で共同研究をすすめてきた。その研究に「科研費の流用」だとか、従軍慰安婦の研究が反日研究だとして「研究批判」をツイッターやネットで繰り返した。コロナ禍で裁判は傍聴者なしで行われてきたが、今年になって初めて裁判が公開された。午前中だけの傍聴だった。岡野八代さんの明晰な答弁に拍手を送りたかったが、こらえた。

 こうした発言が放置されるのは、菅前首相が学術会議会員を任命しなかったことにも通じる。国家にとって都合のいい研究しか学術研究として認めないという歪んだ考えかたに基づくものだ。こうした危険な思想を日常の教育の場に持ち込もうとする人たちの陰謀を見逃してはいけない。杉田水脈桜井よしこらとともにビデオを作成し、牟田さんたちの研究を貶めてきた。こういう状況を許してはいけないと思う。

 2000年12月には、松井やよりさんらが主宰した「模擬裁判」女性国際戦犯法廷で、強制的に従軍慰安婦にされた韓国などのアジアの女性たちが証言した。私はその場にいた。その「法廷」での証言は出版されているし、国連のラディカ・クマラスワミは「女性に対する暴力とその原因及び結果に関する報告書』(クマラスワミ報告)を出版している。他にもたくさんの研究書や証言集も出版されている。こうした「従軍慰安婦」に関する重要な研究を、杉田水脈は研究ではないとネットやさまざまな機会を捉えて発言した。牟田さんたち4人の共同研究者は、自らの研究者としての威信にかけて、杉田水脈に対して裁判を起こした。これは彼女たちだけの問題ではない。

 今日の岡野八代さんの答弁はすばらしかった。かっこよかった。不当な判決がでないように、傍聴席からも見守りたいと思った。牟田さんや岡野さん、伊田さん、古久保さんらとは、ここ10年以上もWAN (Women's Action Network: https://wan.or.jp/)を一緒に立ち上げて、運営している。もっとも信頼できる人たちに対する、不当な攻撃や侮辱を許すことはできない。

 立憲民主党の代表選があった。泉健太氏が選ばれた。がっかり。彼は京都出身の議員なので、どんな考え方をしているかをよく知る。「希望の党」「国民民主党」から「立憲民主党」に入ってきた。考え方は保守的で共産党との共闘をもっとも嫌う人。どうでもいいが、「戦う野党」をやめるだろう。立憲民主党を応援しない人たちが増えるのは確実だ。どこも保守政党になりさがり、腐った自民党を支えていく。その先にあるのは、国民を犠牲にした政治しかない。

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 オミクロン株が日本に入ってきたという。ナミビアから家族で入国した男性が感染していたという。すでに世界で18カ国にオミクロン株のコロナ感染者が確認されている。世界中で感染が拡大していくのを抑えるには、ワクチンが世界中で平等に投与される状況が作れなければ、コロナはいつまでもつづく。アフリカ諸国ではワクチンが行き渡っていないのも現状だ。コロナに感染しても医療処置が受けられない状況もある。