Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

11月8日 アメリカ大統領選挙

 3日以降、アメリカ大統領選挙の開票についてどのチャンネルでも紹介されたり、議論された。ようやく決着はつく見通しだが、トランプ大統領は敗北を認めない。形勢が悪くなると、投票にいちゃもんをつけ、裁判に訴えたりしている。アメリカは広いということを思い知らされたが、50州の各州は自立した主体であるので、トランプ大統領の投票の無効を訴えたとしても、具体的な事例がなければ、裁判にはいたらない。

 カマラ・ハリス副大統領が演説し、バイデン氏が実質的な勝利宣言をした。トランプ大統領は敗北宣言を拒否している。家族や周辺の説得にもかかわらず、敗北を認めず、ゴルフに興じているという。なんという無責任で自分勝手な大統領だ。そうした人間性などが評価されなかったことを自覚すべきなのだが、ここまで傲慢であることが、今回選ばれなかった理由の一つ。

 私のアメリカにいる友人は、とりあえずはorange buffoon (粗野で無教養な人)が大統領にならなくてよかったと言った。orangeは金髪のトランプのことを指しているのは明らか。バイデンさんにも不満があるようだが、とりあえずはトランプさんを大統領から引きずり降ろさなければならないと考えたのだろう。バイデンさんは、分断された対立社会ではなく協調社会をめざすという。なかなか難しい課題が、これからのアメリカにはあるように思った。

 日本もひどい社会になりつつある。先日はトランプ大統領に手をふって、アメリカと協調していこうとした。日本政府菅さんは、手の平を返したように、バイデンさんにツィッターでメッセージを送ったという。ツィッターなんかは公式なメッセージではなく、個人的つぶやきにすぎない。日本政府は、その程度の付き合いなのかと、驚いた。安倍首相から菅首相に変更になったときには、すぐにアメリカのトランプ大統領に電話をかけているのに。「テレ、テレ」と言われたいって、喜んでいたのに、この手の平を返したような態度は何だろう。よっぽど民主主義が嫌いで、独裁で権力志向が好きなのだろう。

 この間の「日本学術会議」に関する議論は、菅首相の差配による権力の濫用がはっきりした。だが、共同通信は行き過ぎて、6名を任命しなかったことは、「反政府運動」に関わっていたかのように報道している。政府の方針への反対運動を先導する事態を懸念しているという報道だ。こんな恐ろしい言葉を使うメディアの無神経さに驚く。まるで彼らが「反政府運動」=テロリストのイメージを植え付けるものにほかならない。メディアとしての責任の重さを受け止め、反省すべきだ。これこそ、まさに「学問の自由」「言論の自由」を脅かすことだ。メディアはどんな言葉で表現してもいい、「言論の自由」なのだと主張するのならば、それは大きな間違いだ。本当に質が悪くなったことを憂う。