Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

リョウブの花、映画「教育と愛国」を観る。

1日(水)上賀茂のお花屋さんにバスに乗って行く。お花を生けるイメージをしながら、リョウブ、トルコキキョウ、菊を購入。リョウブは枝先に白い花穂をつけていて、若葉がかわいい。食糧難のときに若葉を食べたそうだ。夕日はとてもきれいだった。幸せな気持ちになった。

2日(木)京都シネマで上映中の「教育と愛国」を2時20分から観た。2年以上も映画館に出かけることはなかったが、友人のすすめもあり、6月2日の今日までの1週間ということだったので出かけた。だが、好評により上映が延長されるという。教科書の検定問題に端を発した大阪の毎日放送MBS )で、教育問題を追いかけていた斉加尚代記者のドキュメンタリー番組が2017年度のギャラクシー賞・大賞を受賞した話題作に、追加取材をして映画化したもので、5月に全国だ公開となった。

 政治の力によって教育の現場で「愛国心」を植えつけられ、歴史教育が歪められていくプロセスがよくわかった。日本の教育界では、教科書検定があり、文科省の厳しい検閲がある。学校によっては教科書の選別には自由幅があるが、最近の傾向としては教科書自体に自主性や主体性がなく、文科省からの厳しい検閲を受ける。例えば、「従軍慰安婦」は「慰安婦」になり、「強制労働」は「労働」だけに、どの教科書も変わっていった。そのきっかけを作ったのは、安倍内閣時代に教育の現場で「愛国心」を育てる教育を強く推し進めてきたことが背景にある。教科書出版社もその流れに抵抗ができずに、倒産した所も出てきたという。当時大阪大学の牟田和恵さんは杉田水脈氏から「従軍慰安婦」の研究は研究でない、科学研究費の不正使用とまでツイッターで書かれて、名誉を毀損された。つまり、「従軍慰安婦」などは歴史上存在しないのに、その研究はけしからんというものだ。牟田さんの怒りは、安倍派の政治、日本会議歴史認識により、研究が政治によって否定されたことに対する憤りがある。私は牟田さんたちの怒りがよく理解できる。元東京大学の教授伊藤隆氏の発言にも大きな憤りを感じた。言葉が簡単に歴史を歪めていくプロセスに恐ろしさを感じた。伊藤氏は戦後の歴史を「左翼」の思想に基づくものと一蹴していることに唖然とした。日本の歴史研究ではお偉い先生かもしれないが、日本の歴史をねじ曲げた「犯罪者」だと思った。

 この映画を見て、安倍晋三氏の「教育論」「国家論」が大問題で、「愛国教育」を政治の力で押し付けていると思った。教育の現場への政治介入にほかならない。安倍氏を取り巻く人たちの存在が、安倍氏を増長させる結果となっている。杉田水脈氏も安倍氏の声の代弁者である。森友学園の籠池氏も明らかにしているように、安倍氏は明らかに「国粋主義」を推進するために国家総動員で関与していた。多くの取り巻きが安倍氏を増長させている。最近明らかになったように、「桜を見る会」前夜祭の費用補填にサントリーが酒を無償提供していた。しかも4年にわたり、「酒を無償提供」があったという。明らかに法に抵触する行為だ。安倍氏はそれでも逃げ切ろうというのだろうか。