Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

5月30日、映画「主戦場」を観に行く

 ドキュメンタリー映画「主戦場」を京都シネマに観に行く。これは日系アメリカ人のミキ・デザキ監督の作品。「慰安婦」をめぐって、さまざまな立場の人が論争を繰り広げる異色のドキュメンタリー映画。とてもいい映画だった。

 「従軍慰安婦」に関してさまざまな見解を持つ人たちが登場した。水田水脈、櫻井よしこケント・ギルバード藤岡信勝藤木俊一、加藤英明など日本会議派の右派の論客から、正当な論客まで、30人以上のさまざまな立場の人たちを監督がインタビューしている。「女たちの戦争と平和資料館」の事務局長をつとめる渡辺美奈や、歴史学者の吉見義明などは、一貫して戦時中日本軍により韓国やアジアの女性たちが性奴隷として「従軍慰安婦」に強制されたことを史実として証言する。

 2000年12月12日に日本の慰安婦問題についての責任を追及する法廷を模した民間法廷「女性国際戦犯法廷」が行われた。首席検事はパトリシア・ビザー・セラーズ、ウスティニア・ドルゴポルらが担い、証人として韓国、台湾、インドネシア、オーストラリアなどからも大勢が参加した。私自身もその会場にいて、その「法廷」を傍聴していた。証言の途中でPTSD(心的外傷後ストレス障害)により、意識を失って倒れ込んだ人がいた。主催者側はマスコミに対して、写真を撮らないでくださいとお願いしているにも関わらず、カメラを向け、フラッシュをたく人たちがいた。メディアの無理解に憤りを感じた。その後、N H Kはこの「法廷」を取り上げたが、それを改ざんして放送した。のちにこのことが裁判沙汰になったが、そのことを一切報道しなかった。

 この「法廷」は第二次世界大戦中に旧日本軍が組織的に行った強姦、性奴隷制、人身売買、拷問、その他の性暴力などの戦争犯罪」と位置づけ、「昭和天皇の有罪、国家責任」を問うた。

 私の歴史認識はこの時の「法廷」に参加して得られたものであり、歴史の事実として受け止めている。