Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

椅子に化粧を

 ずっと気になっていたガーデン・テーブルや椅子などをきれいに洗ってニスを塗った。雨ざらしになったままで放置していたので、黒ずみがひどくなり、そのうちに朽ちてしまうのではないかと気になっていた。木製のテーブルや椅子はたわしでごしごし洗うと、きれいな木肌が浮き上がってきた。しばらく太陽の陽にあててから、ニスを塗っていくと、新しく生まれ変わった。

 昔から椅子が大好きで、部屋のあちこちにいろんな椅子が置いてある。食卓の椅子など、座面が古くなると、好きな布を張り替えるのはお手のものだ。それぞれの椅子には役割があり、リラックスして本を読みたい時にはロッキングチェアーは快適で、ときどき居眠りをしていることもある。夏の暑い時期には、外でハンティングチェアーに横になるのもいい。時々ベランダにあるガーデン・テーブルでブランチを楽しむ。最も気に入っているのは1930年代のイギリスのアンティークの椅子で、行きつけのお店に入ったとたんにその椅子が私を呼んでいるように思った。少し大きめの椅子で、椅子の背もたれや座面にはウィリアム・モリスのプリント柄が張られていて、その椅子に座るとなんとなく落ち着く。いまは好きな椅子に座る時間をなかなか作れないのが一番の問題。
 今日、私が40年前に作った木目込み人形のお雛さまを出した。大津の膳所で暮らし始めた頃、誰も知り合いがいなかったので、地元の文化教室に通い始めた。それが木目込み人形教室だった。木目込み人形や押し絵などを作りながら、おしゃべりを楽しんだ。そこで出会った少し年配の方に、後には娘の保育をお願いして、私は京都まで仕事に出かけることができた。その方には本当にお世話になったが、人の縁や出会いは不思議なものだと思った。

 木目込み人形の歴史は古く、260年前の江戸元文年間に京都の上賀茂神社に仕えていた高橋忠重が始め、のちには著名な木目込み人形師の真多呂に引き継がれていったということだ。関西と関東ではお雛様と内裏様の立ち位置が違っていたり、時代を反映したキャラクターのお雛様が現れたりする。私はやはり平安朝時代の名残があるお雛様が好き。二人の孫には別々のお雛様を贈ったが、一人は真多呂作の木目込みのお雛様をとても気に入ってくれている。