Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

映画「オレの心は負けてない」

3月16日(土)午後

 京都の「カフェ・ジョイント・ほっと」で自主上映されたドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない」を観に行く。昨年のシニア・女性映画祭で上映されたものだったが、私は見損ねていた。在日韓国人従軍慰安婦だった宋神道さんが、日本政府に対して、謝罪と補償を請求した10年に及ぶ裁判闘争の記録だった。1審、2審ともに請求は棄却されたが、宋さんは明るい。16歳のとき、中国に連れて行かれ、日本軍の従軍慰安婦にさせられた。戦後、軍人に騙されて日本に連れてこられ、過酷な人生を歩んできた。人間不信に陥った彼女は、裁判闘争の中で次第に心を開いて、人間不信から回復していく。「戦争はいけない」と叫び続ける。戦争が彼女のような人びとを生み出したのだ。日本政府は絶対にそうした戦争の犠牲者に対して謝罪をしない。どうしてなのだろうか。

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  参加者は非常に少なかったが、映画上映後に参加者それぞれの思いを語り合った。この映画は、単なる従軍慰安婦だけの問題ではない。明らかに在日朝鮮人への差別の問題が背景にある。参加者のお一人に、在日朝鮮人の方がおられ、朝鮮語を長年教えてこられたという。そして日本に対する激しい怒りを長年持っておられた。日本社会がその方を差別してきた様々な状況がある。そして同胞に対しても日本語を受け入れ、朝鮮語を捨てて日本社会に同化していることに怒りがあったという。それは次第に和らぐとしても、「在日」としての誇りと尊厳を貫いてこられた。そこには宋神道さんの怒りにも通じるものがあった。いろいろと考える時間を共有した。