Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

なでしこジャパン、あっぱれ

 世界中を感動させた「なでしこジャパン」は、試合の裏では性差別にあっていた。同じ飛行機でロンドン入りをした日本男子チームはビジネスクラスだったのに対して、「なでしこジャパン」女子チームはプレミアムエコノミークラスだった。
 日本オリンピック委員会(Japanese Olympic Committee、JOC)では、柔道代表など身体が大きい選手を除き、日本代表の移動手段をエコノミークラスと定めている。だが、サッカー男子代表は日本サッカー協会(Japan Football Association、JFA)の後押しを受け、1996年のアトランタ五輪以来、ビジネスクラスへ格上げされている。このときに、男子はビジネス、女子はエコノミーと決められたようだ。その時の規約がいまにも生きているという。
 1975年に「国連女性会議」が始まり、10年間世界中で女性の地位が検証された。1979年に女性差別撤廃条約が第34回国連総会において採択され、1981年に発効した。日本は1985年に締結した。1995年に北京で、21世紀に向けて各国政府、NGOなどの取り組むべき行動指針となる「北京行動綱領」が採択された。各国が女性差別撤廃条約を遵守しているかどうか、女性に対する暴力、女性の人権問題が議論された。
このように世界中で女性への差別をやめようという動きの中で、日本サッカー協会はおおっぴらに女性差別を行なってきたのだ。

今回、日本サッカー協会JFA)の小倉純二名誉会長は、女子代表が帰国便の席のアップグレードを望むならば、金メダルを胸につけなくてはいけないと言い放った。
 この言葉もおかしい。金メダルだけをよしとするスポーツ界の風潮は、オリンピックの精神に反しないだろうか。オリンピックが国家主義、国威高揚に利用されてはいけないし、実際にパトミントン女子ダブルスの1次リーグで、無気力試合をしたことで、中国、韓国、シンガポールの8人の選手が失格になったのは、一つの例だろう。
 オリンピック選手たちにメダル取りの重圧を押しつけていることに猛省したい。オリンピックにはいろんなドラマがある。アスリートたちの努力は並々ならないが、家族やコーチや友人の支えがあったこともアスリートたちは誰もが感謝し、口にする。日本的で国旗を背負ったアスリートたちの「教育効果」なのだろうか。誰もがもっと素直な感想を述べればいいと思うのだが。個人的感想は各方面から非難をあび、必ず前言を翻す結果となっているのは、残念だ。オリンピックの面白さは、内村航平のように、超人的な技術のみがきと正確さにある。また「なでしこジャパン」のように、果敢に挑戦して行く姿勢にある。だが、人間だからこそドラマがあり、「金メダル」とつながらないこともある。