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Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

9月6日 ヨハネスブルグでの一日

 シャミンはヨガ教室に出かけるというので、一緒に家をでる。途中パークヴューの商店街でおろしてもらう。南アフリカ内で一番趣味のいい手作りのものがある店。ケープタウンにもお土産屋のような店はたくさんあるが、観光客用なので趣味も悪く、値段が高いのであまり買うことがない。ここの店は観光客用ではないので、とても品質がよくアフリカ中から買い集めたものが陳列されている。アート・ギャラリーのようだ。見ているだけでも楽しいので、しばらくここで時間をすごし、ビーズワークの小物や、刺繍したタペストリーなどを購入。我が家にあるものの多くはこの店で購入したもの。
 11時過ぎにシャミンが迎えにきてくれる。一緒にプレトリア大学の日本センターでつとめる長田雅子さんに会いに行く。20年近く前にケープタウンでお会いしたことがある程度だったが、最近ではFacebook上で知り合いになっていた。長田さん自身はアーチストでちょうど日本センターがある、プレトリア大学のビジネス・スクールで絵画展を開催しているというので、観に行くことになった。「東洋とアフリカの出会い」をテーマにしたもので、とても興味深いものがあった。北斎風の絵画に現在の南アフリカを入れこんだり、コーサの女性に日本風の模様の服を着せてみたり、さまざまな工夫がなされていた。
 いったん家に帰り、ボブを誘いメルビルまでランチを食べにいく。メルビルは若者たちが集まる町で、いろんな食べ物屋さんがあり、結構面白いところだ。よくここに食事にきたことがある。ピッザを注文。
 私にハウトレンを経験させてくれるというので、ボブと出かける。ヨハネスブルグの中心にあるパーク駅からサントンまで二駅で、わずか10分ほどでつく。アフリカ人が多く使っている従来のパーク駅とは別に、2010年のサッカーのワールドカップ用に作られたもので、ヨハネスブルグからプレトリアまでつないだ。またオリバー・タンボ国際空港(旧ヨハネスブルグ国際空港)とサントンともつないでいるので、ヨハネスブルグにもプレトリアにも便利に移動できるようになった。車では一時間以上もかかり、朝夕の車のラッシュは大変なものだったが、かなりこのハウトレンで解消されたようだ。

 初めて乗ったハウトレンは、世界中の大都市にある地下鉄や列車と同じで、冷房も効き、乗り心地はよかった。サントンはビジネス街でもあり、大きなショッピングモールがある。かつてヨハネスブルグがビジネスの中心街だったが、とくにアパルトヘイト廃止後、多くの企業がヨハネスブルグから遠く離れたサントンに事務所を移して、新しく作られた町だ。ヨハネスブルグの町中はアフリカ人街となり、サントンは白人街となり、いつまでも人種が混ざり合うことがない。ここにはマンデラの大きな銅像があり、多くの観光客を楽しませている。

 夜はマーケット・シアターで上演されている「Milk and Honey」をシャミンと観にでかける。マーケット・シアターで上演されるものと思い、直行するが、別のところ打ということを知る。カルチャーセンターなどが集まっているところで、以前にコンサートを聞きにきたことのある場所のすぐ隣だった。駐車場に入る寸前の信号で、アフリカ人が何人か立っていて、一人が車の前にでてきて、車の前のボンネットをたたき出した。とても異様な雰囲気に驚いた。真っ暗闇の中でのできごとだが、シャミンのしっかりした態度で、難をのがれた。ケープタウンでは一度もこんなことはなかったので、ヨハネスブルグの町の中は危険が潜んでいると思った。
 「Milk and Honey」は、ツワナ語、ソト語、ズール語などが入り交じった言語と英語で話されているので、なかなか分かりにくいものだった。1913年の土地法により、アフリカ人が土地を取り上げられ、いまだに苦しめられている。主人公が祖母の声(過去の先祖)に導かれ、自分探しにでかける物語。歴史を辿って行けば、過去には土地を取り戻すために闘った人たちもいれば、恋人が別れて暮らさなければならなかった状況もあり、さまざまな場面が舞台の上で展開された。言葉がわからないで、想像して観劇するしかなかったが、歌や踊りがあり楽しめた。