Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

10月14日 『J.M.クッツェーと真実』を読む Huma Ibrahimの本

『J.M.クッツェーと真実』を読んだ。著者のくぼたのぞみさんから寄贈された。嬉しい贈り物だった。コロナ禍の中、時間がたっぷりあるので一気に読むことができた。日本ではくぼたのぞみさんがJ.M.クッツェーの作品の多くを翻訳している。J.M.クッツェーは2003年度のノーベル文学賞を受賞したので、日本には多くの読者がいると思う。南アフリカ出身の作家でいまはオーストラリアのアデレードに移住した。1999年にDisgrace という本を出版し、ブッカー賞を受賞して話題になったとき、私はその作品にがっかりし、批判した。日本でもいち早く翻訳がでたが、私はなぜクッツェーがこんな本を書いたのか理解できなかった。彼の伴侶であるドロシー・ドライヴァはフェミニストで私と同じく南アフリカの文学やとくにベッシー・ヘッドの研究者でもあり、親しくしていた。そのドロシーにDisgraceについて質問したが、「私の発言が大きな影響を与えるので、何も言わない」と言った。賢明だと思ったが・・・・

 くぼたのぞみさんの著書は翻訳家として、どうクッツェーの作品と接してきたかというもので、とても興味深かった。彼が生まれた場所や、仕事をしていた場所や、生活をしていた場所などと、作品の背景をなどは、私自身の記憶を呼び覚ましてくれた。作品の評価や解釈は違うところもあるが、それはそれで興味深かった。

 もう一つ嬉しい贈り物はアメリカから来た。Huma Ibrahimの著書The Other Body-Sexuality, Spectacle, Silenceが出版社African World Pressから送られてきた。フマは長年の友人であり、出版社の社長カサフーンも長年アフリカ文学会での知人。南アフリカのサラ・バートマンという女性がケープタウンからロンドンに船で連れて行かれ、見世物小屋で晒し者にされた。サラの身体がヨーロッパの視点でどう語られ、アフリカ人女性の身体が一つのステレオタイプを作り上げられた。この本の推薦文を書いた。

"Huma Ibrahim covers multiple women's stories" in African, South Afian and African American Literature through her postcolonial, feminist and global lens. 

This book is an eye-opener for examining other women's bodies and desires. She presents the first academic analysis on Sarah Bartman's body politics.  This treatise is an original and unique perspective into the other women's body. She both challenges and verifies the hypothesis of Homi Bhabha, Edward Said, Gayatri C. Spivak and others. 

In this book she has developed her own concepts about and beyond hybridity.  It is a must-read for anyone in a critical global society.  The detailed analysis leads to anyone in a critical global society. The detailed analysis leads to the culmination of universal conclusions as well as opening up new horizons for discussion on the other body."

 

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 ベランダに置いてあるオリーブの木を移動させた。狭い場所に押し込めていたので、本来まっすぐ伸びなければいけない幹が歪んでいた。広いところに出したので、こんなにも伸びていたのかと改めて見直した。12月に入ったら、剪定をしていい形に整えようと思う。葉っぱの間をよくよく見るとオリーブの実がいくつかできている。その成長も見届けようと思う。となりにレモンの木がある。オリーブの木の植木鉢の土を掘り返していたら、黄金虫の幼虫がでてきた。ここに黄金虫が卵を生んでいるようだ。かなり掘り返してみたが、まだそこの方に幼虫がいるだろう。薬を撒いたが、効くだろうか。隅っこに押し込めていたので、黄金虫の住処になっていたのかもしれない。昨年は椿の木が黄金虫の幼虫にやられて、枯れてしまった。