5月5日は「こどもの日」で国民の祝日だが、コロナ感染症のために自粛期間中なので、特別な「休日」という感覚はない。午後に台所用洗剤が必要で近所の生協にでかけた。久しぶりの外出なので、河原をのんびり歩いた。かなりの人がいて、それぞれに散歩をしたり、ランニングを楽しんだり、寝そべって日光浴の人、家族連れの人たち、さまざまだが、家の中に閉じこもってばかりはおれない。外出自粛も5月末まで延期になった。こんな状態が2ヶ月以上もつづき、まだこれからひと月も外出自粛となる。少しうんざり気味になってきた。
Facebook ではブックカバー・チャレンジという「遊び」が、私のところにもまわってきた。一人が7日間、7冊の本のカバーを紹介するというものだ。どんな本がその人の人生にどんな影響をあたえたかを、メモする人もいたり、ただ興味深い本のカバーだけの紹介があったりして、いろんなことを考えるきっかけとなる。こんな時期だから、読書をしようとする人もたくさんいる。私はこれまで3冊を紹介してきた。アフリカン・アメリカンのアリス・ウォーカー、ラングストン・ヒューズ、そして南アフリカの歌手ミリアム・マケバ。それぞれから大きなインパクトを得た。マケバの歌を久しぶりに聞いた。とてもパワフルで勇気をもらった。彼女は自伝のなかで、生まれたときから持ち続けているものは、「希望と、決意と、そして歌です」と言った。「わたしたちはみんな同じように、人間らしい生活や平和や愛を望んでいます。これは政治ではなく、常識ではないでしょうか」とも。
ラングストン・ヒューズの「ぼくは多くの河を知っている」という詩で私は、アフリカン・アメリカンの歴史的存在を認識するきっかけとなった。
ぼくは多くの河を知っている。
テレビ局もドラマが制作できないのか、毎日番組は過去のものを合体させたり、いろいろ仕掛けをしたりして、放映している。ちっとも面白くないので、自然とアマゾンが提供する映画か、BSの映画をみている。
2015年作、「愛を積む人」はひさしぶりに観たいい映画だった。朝原雄三監督、佐藤浩市と樋口可南子が演じる夫婦のもの語り。北海道で第二の人生をはじめるが、妻の良子は持病の心臓発作で急死する。手持ちぶたさで、生きがいを失った夫篤史は、妻の願いでもあった石塀を完成させる。さまざまな形の石が積み上げられ、支え合って一つの役割をはたす。石積みの作業をしていく中で、篤史の周りの人間関係も徐々に変わっていく。父と娘(北川景子)の関係も修復される。とても感動的な作品だった。