Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

12月25日 アフリカ文学研究会

久しぶりにアフリカ文学研究会が大阪大学豊中キャンパス、大阪大学会館セミナー室2で開催された。主な発表は、1。村田はるせさんから最近翻訳出版したヴェロニク・タジョの『神の影』について。

2。アフリカ諸語による文学世界と作品の紹介があった。報告者は、 ①小野田風子(スワヒリ語)…E・ケジラハビ著『ナゴナ』&『迷宮』②塩田勝彦(ヨルバ語)…D・O・ファグンワ著『精霊の森の勇敢な狩人』、③砂野幸稔(ウォロフ語)…マーム・ユヌス・ジェン著『第一夫人』、④宮本正興(ギクユ語)…グギ・ワ・ジオンゴ & グギ・ワ・ミリエ著『したい時に結婚するわ』があった。

 1部は、『神の影』はルワンダのジェノサイドを記録したもので、歴史的に重要な作品。タジョの作品が日本語で読めるようになったのは、村田さんの多大なご尽力の賜物。

 2部は、砂野さんの企画でアフリカの言語で書かれた作品が日本語で読めるようになるというもの。どれだけ読者に関心を持ってもらえるかは、わからないが、アフリカ社会を理解には欠かせないとても重要な作業だ。

 久しぶりに多くの人に出逢え、大きな知的刺激を得た。それぞれにアフリカ文学をアフリカ研究の中に位置づけて、研究を進めてきたパイオニアー的役割を果たしている。あるいは若い頃から一緒に勉強をし、それぞれに研究を進めてきた仲間たちでもあった。富山、東京、熊本、京都、大阪、神戸、三重などから集まった。

 熊本から参加していた砂野幸俊さんは、京都の自宅に泊まった。今年度で熊本県立大学を退職されるが、学生時代から知っている人だ。フランス語圏アフリカ文学の研究を進めるなか、セネガルの民族語ウォロフ語も駆使できるので、人々の生活に入りこみ、アフリカ文学の世界を紹介してきた。

 翌朝は加茂川沿いを下り、植物園の中を抜け、北大路まで散歩した。積もる話は尽きないが、それぞれに様々な思いを込めて、これからもアフリカ文学研究を続けていく決意を確認した。私自身はゆっくりとアフリカ人作家の作品を楽しみながら、読んでいきたいと思う。