Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

7月11日 元ゼミ生とランチ とアブドゥーラ・イブラヒム

 もう7年も前に卒業したゼミ生が電話をかけてきてくれた。北大路ターミナルで出会った。二人のゼミ生と久しぶりにランチを食べながら、おしゃべりをした。一人は、この数ヶ月ヨーロッパを旅行してきたという。1ヶ月はマルタ島で語学学校に通い、フランス、イタリア、ドイツ、オランダ等など、13カ国を旅して、その中でもエストニアがとてもよかったという。確か、卒業と同時に歯科医院で働いたが、不当な労働条件だったので、退職し、のちに派遣で5年間、ある研究所につとめ、データ処理に携わったという。その間貯金を貯め、今回ヨーロッパを旅行してきて、新たな出発を願っているという。派遣会社に登録し、臨時の仕事などをしているが、そのうちに定職を見つけたいという。

 もう一人は、就職試験を受けとところで2年働いていたが、目指すところと少し違ったので、今はレンタル着物店で働いているという。海外からの旅行客が京都の街を着物を着て歩きたいという人たちへの着物の着付けなどをしているという。外国語を生かしていたり、着付けの資格をとったり、さらにはエステの資格をとって、仕事への意欲を湧かせているという。

 こうして大学で一緒に学んだことが、一つの励みになって、それぞれの人生設計を着実に実行している姿を見て、とても嬉しかった。

 その日は、元同僚にもバッタリと出会った。南アフリカ出身のジャズピアニストのアブドゥーラ・イブラヒムが京都の上賀茂神社にやってくるという。彼はすでに何度か上賀茂神社で演奏をした。とても京都のこの場所が好きなようだ。今年で85歳になる。ケープタウンで育ったが、アパルトヘイトが強化される中、人々への弾圧が強まった。彼は海外に亡命して、アメリカでデューク・エリントンに出会い、彼から認められて、ジャズピアニストとして、ダラー・ブラントとして音楽活動を始めた。のちに改名。

 私がアブドゥーラと初めて出会ったのは、1994年ケープタウンで暮らしていた時だ。日本料理店で出会った。日本大好きで、武道の心得もあるほどだ。ケープタウンで彼のコンサートに何度も出かけたことがある。美しいピアノの音色だけでなく、素晴らしいリズムと力強さに感動した。日本でも上賀茂神社での演奏を二度も聞いた。若い人たちと話しがしたいという彼の思いを受け止めて、京都精華大学で講演をしてもらった。南アフリカアパルトヘイトがどのようなものであったか、その中で彼が音楽活動をすることの意味を語った。

 9月に京都の上賀茂神社に来られるので、ぜひ彼のピアノ演奏を聴きに行こう。待ち遠しい。

 

f:id:mwenge:20190714232957j:plain