Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

10月26日 台風のあとで

 台風はなんとか近畿には来なかった。最近の台風は大荒れで、あちこちで大きな被害がでている。雨風がきついときには、雨戸をしめ、部屋のなかで台風の目が通り過ぎるのを待っているしかなかった。だが今ではそうではない。土砂崩れがあったり、川の氾濫があったりと予想外のことが起こる。科学の進歩はこうした自然の威力に対抗できるものを作りだせないのかと思う。人間の生活を守るために役立てられないのだろうか。
 高野川の水位もかなりあがり、中州がみえないほどになっていた。所々にある中州で、カモやサギが獲物を狙っている。 
下鴨神社糺の森は、ニレ科の大木が多く、ムクノキが7割、ケアキが1.6割、エノキ、アラカシ、シラカシ、椿、クスノキ、モミジの木等があり、原生林として保護されている。世界遺産に指定されているので、数年前から、害虫退治にいろんな工夫がなされて、木々を守っている。朝の散歩を気持ちよくしてくれているのもこうした努力があるからだ。木々をいっそう愛おしく思う。下鴨神社の北側の塀沿いにクロガネモチの赤い実がのぞいていた。


 京都府立堂本印象美術館で開催されている「女性が描いた昭和のエレガンス」展を観に行った。京都ゆかりのあり女性画家たちの作品展であった。梶原緋佐子、広田多津、三谷十糸子、北沢映月らは主に日常の女性像や舞妓たちのあでやかな姿を描いた。いずれも繊細なタッチで日本独特の美を醸し出していた。とくに北沢英月は上村松園の画風を継承しているのが伝わってきた。日本独特の女性の髪型と髪の毛の一本一本を見事に描いていたし、着物の素材や模様はそれだけですばらしい作品となっていた。「或る日の安英さん」は、山本安英が演じた「夕鶴」を題材にしていた。
 どの作家も上村松園を継承し、大正、昭和の時代の女性を描いていた。人物像の背景に散らばっている野の花は日常のなじみのあるもので、より親近感をもった。日本画はこうも美しく色鮮やかなのかを感じた午後のひとときだった。