Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

8月7日から15日まで

 あっと言う間に一週間が過ぎた。時間はどんどんすぎていく。ようやく机の前に座ったかと思うと、一週間が過ぎていた。この暑さに、何もしたくない。こんな時こそ、大掃除をすると充実感がある。あちこちに埃が溜まっていて、拭き掃除を念入りにした。これまで見ないようにしてきた所が気になり始めた。冷蔵庫の中や、食品棚など。中のものを全部取り出して、整理をした。

 最近、16年間使った食洗機が不具合になったので、取り替えた。新式の機械だけあり、すごく時短で食器が洗えるのはありがたい。7月末に設置してもらってから、大阪ガスから電話があり、再点検をしたいとのことで、以前に設置してくれた方が来られた。排水パイプがなんとなく中途半端で気になっていたという。そのために、レンジの横にある排水管を調べるために、その周辺の引き出しを全部引き出した。鍋類や大小の保存容器などがいっぱい詰まっていた。日頃使わないものは、この機会に処分することができた。出来るだけシンプルでストレスのない生活を心がけようと思った。おかげで、食洗機もスムーズに運転している。

 12日には、お墓まいりに行った。夫の両親のお墓は尼崎の町の中にあるので、京都から出かけるには、ほどほどの距離なので、助かる。京都から大阪まではJRは満員でずっと立っていた。大きな荷物を持つ人たちが、西へ東へと大移動している。今年のお盆は人によっては9連休もあるという。毎日のように報道される台風情報で、多くの人たちは翻弄されているが、それでもおじいちゃん、おばあちゃんの待つ「実家」への帰省がこの時期に集中するのは「習慣」なのか「伝統」なのかよく分からない。企業も段階式のお休みを7月から8月にかけて2ヶ月間の間に組み入れれば、こんなに集中することもないのに。相変わらず、海難事故、交通事故がこの間に集中しているのは、こうした無理な窮屈なお休みのせいではないかと思う。

 お盆の期間は、全くニュースがないかのように、台風ばかりの報道。もちろん自然災害は人間の力ではどうにも止められないので、重要だが、テレビの場合は画面の下にテレップで情報を流してくれればいい。毎日、毎時間、鬼気迫るような声で雨が、風が、列車が、飛行機がどうだかと繰り返す。

 そんな中、映画を観た。「16歳、戦火の恋」。原題は Where hands touch. 監督はガーナ人の両親をもつアマ・アサンテ。ロンドン在住。

f:id:mwenge:20190816111147j:plain

 時代は1944年、場所はドイツのベルリン。ドイツのナチスユダヤ人狩りを強め、ホロコーストが実際に行われていた時代に、アフリカ人の血を引くドイツ人の混血児に対するあからさまな差別の実話に基づく作品。不妊手術を強制され、その証明書があれば、強制収用所には送られないので、母は愛する娘(レイナ)を守るために偽の証明書を準備する。明らかに純粋ドイツ人だけの国家を目指す、民族浄化運動だったのだが、その証明書は無残に憲兵によって焼き捨てられる。母は娘に代わって連行され、行方が分からなくなる。弟は親戚に預けられ、レイナは一人になるが、強制収用所の食事係の仕事につく。レイナの恋人ルッツはナチスの青年隊に所属。彼の父はナチスの将校。父は息子が自分の指揮下にいると命は助かると思い、息子の戦争への疑問を知りながらも、入隊させていた。偶然にもそこで二人は出会う。ルッツはレイナの身体が衰弱しているのを心配し、密かに食べ物を与えたりする。レイナがルッツの子供を妊娠していることを知り、なんとか強制収用所を脱出することを計画するが、それが発覚し、ルッツは父親の拳銃で撃ち殺される。父親の息子に対する歪んだ形の愛なのかもしれない。戦争が終結直前のことだった。

 悲嘆にくれたレイナは戦後、生きる気力も失い、呆然と街をさまよっているときに、母と弟に出会う。母は娘が大きなお腹を抱えているのを見て、喜ぶ。子供は愛の結晶として生まれてくるものであり、我が子を不妊手術から守ったことに安心する。母は娘にアフリカ人の血が混じっていても、それを誇りに生きてきたので、娘が人間の命を繋いだことを喜ぶ。レイナも母の子供で良かったことを確認するシーンで終わる。戦争とは人殺し、人間性を抹殺する行為であることを静かに訴えた作品だった。人種とは何なのかを考えさせられた。

 この映画は、ネット配信で購入した。私はドコモと携帯電話の契約をしているので、毎月500円支払って、dTVとdマガジンを購読している。映画は見放題だが、時々、新作ものは課金がある。今回の「16歳、戦火の恋」は商業映画館で上映していないようなので、400円でレンタルしてみた。映画館に行って入場料を払うよりは、安くて簡単だ。そして調べてみると、今アマゾンが映画を見放題というキャッチフレーズで、視聴者を獲得する商法に出ている。他にも、 Google play, Rakuten TV, iTunes, prime Videoなど様々なネット配信があるのを知って驚いた。もう映画館に行って映画を見るのではなく、携帯やコンピュータから、T Vの大きな画面に繋いで、自宅で映画を見る時代がやってきたように思う。