Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

区役所で

区役所に用事があって順番待ちをしていた。デスクで相談を受けているご老人が、突然声を荒げて「もう何もしてもらわんでもいい」と言いだした。区役所の方は、ただ保険証の住所変更が必要なので、保険証を持ってきてくださいといっている。そのご老人(男性)は、何かの手続きできていたのだが、保険証の提示を求められた。保険証を持っていないこと、そのことがどこにも書いていないと、ごね始めた。「もう何も申請しない」という。区役所の人は、今後介護保険で介護を受けたり、病院に行ったりすると必要になる書類だからと、一生懸命に説明する。病気になったら、100%自分でお金を払う必要がでてくると説明。余計にこのご老人は怒りが収まらない。きっと保健証を持ってこなかったことを、注意されたことで、気が動転したのだろう。

 「年寄りだから、バカにされた」と勘違いしたかもしれない。こういう場面によく出くわすが、やはり、病気になったら100%の高額を支払わないけないとか、介護保健の認定を受けるには、保険証が必要だとか、言われることで、感情的なズレがあったのだと思う。年をとり、「社会の恩恵を受けさせてやる」とまでは言わなくとも、それくらいの気持ちにさせられたのかもしれない。ご老人は、「わしは何もいらん。何の恩恵も受けん」といいだした。

 こんなやりとりを聞いていて、なんだか悲しくなった。役所の仕事はどうみても人にやさしくない。細かな規則がたくさんあり、それに何がなんでも原則であり、それ以外は認めない。もう少し、優しい気持ちがその人の立場に寄り添って、理解できるように説明して納得させてはくれないのだろうか。