Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

バスの中での会話

いつも乗るバス路線に学生が乗っていた。新学期が始まったばかりなので学生がたくさん乗っていた。優先座席に学生が座っていたので、老齢の男性が乗り込んできたときに、その学生の横に座っていた少し年をとった女性がたちあがって、老齢の男性に席をゆずった。学生は耳にイヤポンをつけ、音楽を聴きながら、しきりに携帯をいじくっていた。

 その男性が学生に向かって、「ここは優先座席だから、大勢のお年寄りが立っているので、席を代わりなさい」といった。すると学生は「優先席でも、代わるか代わらないかは、その席に座っている人の自由意志だから代わりません」といった。老齢の男性は、席を替わってくれた女性に「だから日本社会の将来が危ぶまれる」と言った。それを聞いた学生は、「僕のことですか。」と、くいついた。老齢の男性は、「こんな風に口論になるとナイフで刺されるかもしれない恐怖がある」と言った。学生は「僕に刺せというのですか」と。話はとんでもない方向に進んで行く。

 その学生の隣には明らかにその大学の教員らしき人が座っていた。まったく関係ないかのように、寝たふりをしていた。

 若い人は自己中心の世界で生き、人の注意や声に耳をかさない。年寄りを尊重せず、まったく無視し、社会の邪魔者のように扱う。どうしてこんな社会になってしまったのだろうかと悲しくなる。

 この路線のバスは大学生や教職員のお客さんでもっているのか、地域住民の利便を優先することがない。1時間に3本しかない路線だが、大学の授業がはじまると、学生で満員になり、駅でバスを待っている人を乗せないで通過することもある。

 こんな風に思うのは、私も年をとったせいなのだろうか。