Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

自宅でのんびり

 特に外に出る予定のない日は、家でのんびり過ごせるのが嬉しい。フランス語の教科書に目を通したり、シャンソンを聞いたり。

心が少し自由になる。ちょっと編み物をしたり。

 今朝から一日中、北朝鮮金正男氏に対する暗殺事件が報道されている。16日、マレーシアのクアラルンプールの空港で毒殺された。こんなことが現実に起こるのかという衝撃が走る。どのテレビ番組も同じことばかりの繰り返し。テレビのスイッチを切る。

 毎日新聞は、福島第一原発2号機でロボットを使った格納容器内部の調査について報道した。目標の原子炉直下まで到達できなかったが、破損状況は想定以上に厳しいという。廃炉作業はどうってやるかわからないということだろう。他の新聞は報道していない。報道されることと、報道されないことの背後にあるものに注意しなければと思う。

 

 日仏会館で借りてきたフランス映画「キリマンジェロの雪」(2011)を見る。ヘミングウェィの小説『キリマンジェロの雪』とは違う。

マルセイユに住む熟年夫婦の物語。夫ミッシェルは労働組合の委員長だった。リストラで、20人を首切りしなければならない。みんなの前でくじ引きをする。その中にミッシェルの名前もあった。委員長なら自分の名前を入れないでも済んだのに、なぜ入れたのかと仲間から言われるが、ミシェルは職権乱用、不公平は嫌いだ。ミシェルは20人の中に入っていた。ミッシェルは結婚30年が過ぎ、子供や孫に囲まれて幸せな生活を送っている。老後はのんびり暮らす計画も立てていた。タンザニアのキリマンジェロに旅行計画して、チケットも購入済みだった。そこに解雇。

 そして解雇された20人を招待して、激励パーティを催す。その後、強盗がミシェル家族を襲う。金品、銀行預金通帳などを奪う。その犯人が漫画を持ち去ったことから、ミシェルは犯人を突き止める。たまたま乗り合わせたバスの中で子供がその漫画を読んでいた。実はその漫画はミシェルが若い頃に持っていたものだった。子供の後をつけてみると、強盗犯人はミシェルと一緒に解雇された若者だった。

 この若者は低賃金で借金まみれの生活を送っていた。解雇により食べ物もない。2人の子供や妻がいるが、将来のめどが立たない。そんな中で、ミシェルを襲う。

 ミシェルが労働組合の委員長だったので、仲間を首切りをして会社から裏金をもらい、優雅な暮らしを保証されていると勝手に思い込んでいる。

 ミシェルは犯人を突き止め、警察に通報する。彼は逮捕されるが、彼の子供たちの生活を考えると、彼を15年間の刑に服させるわけにいかないと思う。ミシェルは告訴を取り下げ、キリマンジェロへの旅を断念し、旅行会社で支払金を戻してもらう。そのお金も彼の子供たちに使おうとする。

 何事もなかったかのように、元の生活を淡々と送るミッシェル家族のヒューマンドラマ。マルセイユの美しい港町が印象的だった。

 フランス語はほとんどわからなかった。字幕ありがとう。

DVDのジャケットに、「たとえ貧しくても、優しい心さえあれば、たとえ貧しくても、思いやる心さえあれば、世界はあたたかい」とある。

 そんな世界だといいのにと思うが・・・・