Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

ニキ・ド・サンファル展

東京に出かけたついでに、ニキ・ド・サンファル展を国立新美術館で観た。

 2011年8月に栃木県の那須高原にあるニキ美術館でニキの作品を観た。この美術館が閉館する直前のことだった。それ以来のニキの作品との出会いだったので、すこし興奮した。ニキ美術館はニキ・ド・サンファル1930-2002)と親交があった増田静江さんが1994年に開設し、2011年に閉館した。

 今回のニキ・ド・サンファル展では、ニキが1961年に発表した「射撃絵画」を新たな気持ちで観ることができた。当時はアルジェリアがフランスからの独立をかけて闘ったアルジェリア戦争が背景にある。絵の具を入れた缶やや袋を、銃で撃ち、石膏のキャンパスの上に飛び散った絵の具が一つの絵画の世界を作るというショッキングな作品を持って注目をあびた。戦争がもたらす破壊と破滅のすざまじさがある。戦争は残酷な人殺しであることをメッセージとして読み取ってもいいのではないかと思った。

 その後、ニキは女性の身体の表象に関心をもち、「ナナ」シリーズを発表する。

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ニキは、伝統的な家父長制社会の中で女性が抑圧されていたことを感じとり、女性の役割と自分自身の人生を見つめ直して、新たな女性像「ナナ」を生み出した。身体の拘束を受けない自由闊達な姿と鮮やかな色彩が女性たちの支持を得た。