Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

アフリカ文学研究会が動きはじめた。

11月28日、アフリカ文学研究会を久々に開催。元大阪外大(現大阪大学箕面キャンパス)に出かける。東京、京都、大阪、神戸から多くが集まった。若い人たち3人が研究発表をし、最後に座談会が組まれていた。

1.「戦前期における日本人のアフリカ認識:日本エチオピア交流の事例から」
今泉奏(大阪大学文学研究科文化動態論専攻博士前期課程)
2.「スワヒリ詩の変容と展開:定型詩、自由詩、タアラブ」
小野田風子(大阪大学言語文化研究科言語社会専攻博士前期課程)
3.「西アフリカ大衆音楽の発生と発展:ガーナとナイジェリアのハイライフ」
塩田勝彦(大阪大学非常勤講師)

 それぞれの発表は緻密に研究を進めていて、興味深いものだった。久しぶりに刺激を得た時間だった。

 後半部では、討論会「20世紀アフリカ文学の遺産」で、宮本正興が20世紀にアフリカ文学が果たした役割について、個人の体験談を交えながら紹介した。確かに、アフリカの多くの国が独立を果たし、社会のさまざまな矛盾をアフリカ人作家たちは描いてきた。それらをたどってみると、確かにアフリカ大陸の共通の歴史的体験が凝縮されている。

 アフリカ文学研究会も、発足以来38年が経つ。ある意味で研究会は20世紀のアフリカ人作家やその作品とともに歩んできた。作家たちの人生や思想を共有できたことを幸せと思った。リアリズム文学はその社会と人びとの生き様を映し出しているので、文学作品を通してアフリカ社会を理解できたからだ。

 若い研究者たちが、アフリカ文学研究の中心を担ってくれることをありがたく思う。

とても充実した1日だった。