Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

夾纈染め展に行く

 夾纈作家の内田昭司氏が京都の法然院で作品展を開催しているというので、金曜日の午後に観に行く。
法然院は、左京区銀閣寺近くにある、哲学の道を少しそれた山側にある。ここではいろんなイベントが行なわれたり、また芸術作品展が開催される。人里離れた静かなお寺で、知る人ぞ知る所。ほっこり心がなごむ。

 夾纈(きょうけち)というのは、世界大百科事典 第2版によれば、「模様染の一種で,〈纐纈(こうけち)〉〈纈(ろうけち)〉と共に奈良時代の染色を代表するものの一つ。〈夾〉という語意から,挟み染,すなわち今日の〈板締め染〉の技法によるものであろうと考えられていたが,最近までその技術の詳細は不明であった。」

 とにかく、奈良時代を中心に行われた板締めの染色法で、二枚の薄板の間に布をはさみ,板に彫り抜いた模様の部分から染料をしみこませて染めたというものらしい。とても古い手法による染めで、日本ではおよそ1200年も眠っていたものを夾纈作家の内田昭司氏が復元したそうだ。正倉院宝物にある、麟鹿草木夾纈屏風 (りんろくくさききょうけちのびょうぶ)等を復元したという。

 こうした古いものは別に、内田氏の新境地を表現した夾纈染めを楽しんだ。久しぶりにのんびりとした時間を過ごした。


作品のイメージは、光だそうだ。広い宇宙を扱ったという。ブルーとイエローは外国製の染料だそうだが、なんとも淡い色調にみとれた。アフリカやカリブの海のイメージとして私には訴えてくるものがあった。見る人によって、意味合いが変化するのも面白い。