Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

9月2日(月) テーブルマウンティンにのぼる

雲一つない快晴。後残り少ないケープタウン滞在で、いろいろとすることはある。だが、久しぶりのお天気に誘惑されて、テーブルマウンティンにのぼろうと思った。冬の間は改修と悪天候で頂上までのぼることができなかった。




 ロープウェイは5分ほどで頂上まで運んでくれたが、頂上は想像以上に風が強く、なかなかまっすぐに歩けない。私のように小さな身体にはすごく危険を感じながら、あちこちに咲いているフィンボスを見て歩く。眼下の町並みもきれいに見えるが、なかなか山の端のほうには近づけず、遠巻きにみていた。遠くに喜望峰、コミキーの灯台、ホウトベイ、眼下に私がいま住むバントリー・ベイから海岸沿いに、シーポイント、グリンポイント、ウォータフロント、ウッズストック、ミルナートンと大西洋側の海岸がどこまでも続いてみえる。ケープタウンの町もしっかりと見えている。山頂までのぼってきてよかったと思った。

 このテーブルマウンティンに咲くフィンボスの花ばなは世界遺産の一つで、珍しい植物群がある。プロテアはまだまだ莟が堅く、大きな花を咲かせるにはもう少し時間がかかりそうだ。
 ケープタウン大学に行き、PRAESAでトンビとしばらく話す。コリサとはFacebookで昼に会う約束していたが、会議中とかで、どこにいるのかわからない。彼女も久しぶりのケープタウンで忙しいのだろう。

 ジンバブエの女性作家ペティナ・ガッパーの『イースタリーのエレジー』という短編集の書評がでた。ケープタウンに来る前に書いたものだ。日本では初めて紹介される作家で、こちらでもジンバブエ出身の学生にガッパーについて尋ねてみるとなかなか評判がよい。若い世代の人たちがアフリカ文学の世界で活動し始めたことをうれしく思う。


 夕方は久しぶりにフラットにいた。夕日はとてもきれいだった。
とても色目の悪い食事となったが、炊き込みご飯、ひじきの煮物、昆布の炊き合わせ、わかめのみそ汁。ほんとうに取り合わせの色が悪いが、味はおいしかった。
 夜は、バクシター・シアターで「Race Card」で上演されるコメディー劇を観に行く。夜の8時15分から始まり、9時半に終わった。小さな劇場で今日が初日だが、観客は真ん中の列だけで、空席がめだつ。南アフリカは人種隔離社会で、今も変わりない。そうした社会の白人、カラード、アフリカ人のステレオタイプの行動や言動が、アイロニカルだが、ユーモラスに演じられた。Siv Ngesiの一人芝居。なかなかの演技と台詞が観客を釘付けにし、笑いが絶えなかった。私には分かりにくい部分が多々あったが、それでもそれぞれの人種をこんな風にステレオタイプ像で演じて行くのはどうだろうかとも思った。私には笑うには笑えないものがあった。