Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

8月10日 ブリンデラ・リーディングクラブの子どもたち

 土曜日の午前中はプラエサのリーディングクラブの日だ。2006年に、ランガで小学生までの子どもたちに本の読聞かせをするプロジェクトで、私は1年間このプロジェクトに関わることができた。その後もケープタウンに来るたびに、ランガの小学校で行なわれているリーディングクラブ(Vulinela)に顔を出している。いまこのプロジェクトは全国に広がり、多くの地でもとプラエサのスタッフたちや、関心をもつ人たちが活動を支えている。そして昨年に各地のリーディングクラブを一つにまとめるナリンバリという組織が生まれた。ちょうど昨年ケープタウンを訪れたときに、ランガでナリンバリの記念集会が開かれていた。フランスのパペット集団が子どもたちに、本を読むことの重要性を伝えていた。
 以前の小学校は「開発」のために、閉鎖されたので、別の小学校で行なわれていた。子どもたちの顔ぶれは変わっているが、それでも誰もが生き生きと本を読んだり、みんなでゲームをしたり、歌ったり、楽しそうだ。まったく以前とは変わりない。若い人たちがボランティアで加わり、子どもたちを指導していく。誰もが自分のことしか考えなくなり、贅沢な消費文化を楽しもうとするなかで、こうした地道な活動を通して、すこしでも多言語文化をつくろうとする努力に感服。プラエサのトンビは家族の協力も得て、遠くからやってくる。読み聞かせを始めると、子どもたちは静かに聞き入る。いくつかの質問にも真剣に答えている子どもたちの姿が何ともいえない。トンビはテキパキと子どもたちを一つにまとめて行くプロの教育トレイナーだ。

長年の友人ジェニーから、昨晩電話があった。お天気がいいので、昨日からベティーズ・ベイのホリデーハウスに行っていると電話があった。ケープタウンから150キロは離れていると思うが、インド洋側の東海岸沿いの美しいところだ。ここには何度も一人でも行ったことがある。ゆっくりと海岸沿いを走りながら、いまさらに南アフリカの広さを実感する。ジェニーの家には、息子たちや友人たちがケープタウンから集まっていた。いつものようにリラックスしておしゃべりをしたり、お茶を飲んだり、海岸沿いを散歩したりして至福の時間をすごす。ここは全くの都会の喧噪から逃れて、自然だけに囲まれた別天地だ。夕方になり、ブライ(南アフリカの焼き肉)パーティが始まった。ラム肉、チキン、南アフリカ特性のソーセージが、家の外に設えられたレンガの炉で焼かれる。おしゃべりを楽しみながら、時間をかけて全部を焼いて行くのが南アフリカ式だ。焼き上がってから食べるのが作法。



 友人たちもケープタウンに帰るのだが、いつになるのかわからないと思った。いつもなら、泊めてくれるのだが、息子たちが訪ねていたので、私は8時半過ぎに一人で帰ることにした。真っ黒闇の中車を走らせるのは初めての経験で、かなり緊張した。道路の分離帯だけに明かりがついているだけなので、対向斜線にははみ出さないが、右側は岸壁だということを知っている。速度を落として、心を落ち着けて走った。遠くに町の灯りが見え始めたが、なかなかそこまでは行かない。ゴードン・ベイからは山の中を抜けるパスがあり、来るときにはそこを通った。幾度も通ったことのある道だ。もう一つはストランドに抜ける道が。どこかで標識を見落として、ストランドの方にでてしまった。ここにも何度かきて知っているが、海岸沿いの道だ。さて、N2の国道幹線にでなければケープタウンに帰れない。ストランドからどうN2に出るのか、道路標識にたよるしかない。町は真っ黒で、誰も歩いていない。もちろん人に聞く訳にもいかない。なんとかN2の指示通りにすすんだ。最後はその指示がなくなったが、大きな通りにぶつかった。とにかく大きな道なら安全だと思い、進んだ。そのうちに、N2に入り、無事フラットまで帰ることができた。ジェニーに無事帰宅したことを伝える。まだお客さんはおしゃべりを楽しんでいるという。10時前だった。