Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

南アフリカのジェンダー研究所

 いつものようにウォータフロントでアメリカンコーヒを飲みながら、メールチェック。ウェスタン・ケープ大学のWomen and Gender Studies Unitで働くデズリーからメールがくる。今日はキャンパスにいるということで、午後から訪ねて行くことにした。メールは便利だとつくづく思った。
 私が1994年4月から12月までこのUniversity of Western Capeの英文科でお世話になったのだが、英文科には少々フラストレーションを感じていた。なぜアフリカまできて、何十年前に私が学んだ英文学をこのアフリカでやらなければならないのかと。私は「南アフリカにアフリカ文学の研究にきたのだ。」という思いが強かった。この英文科のなかでもそう思っている人が数人いた。デズリーは南アフリカの文学(とくに女性作家、ベッシー・ヘッドの研究で博士号をとった)ミキ・フラッカーマ南アフリカのドラマを研究する。ボツワナ大学の教授レロバ・モレマは南アフリカ文学の研究者で、ベッシー・ヘッドをも良く知る。英語、ツワナ語、ソト語、アフリカーンス語が読めるので、南アフリカ文学を幅広く展望できるひとで、サバティカルにきていた。こうした限られたひとたちに励まされて、UWCでしばらくお世話になったことがあった。いまもずっとこうした人たちとつながっている。
 1年ぶりにデズリーに会った。昨年ケープタウンブックフェアの時に、ほんの少しだけ出会った。いつものようにあたたかく迎えてくれた。UWC のジェンダースタディーズで学ぶ学生は120人を超えているという。これからはITを使ってジェンダー関連の資料にもアクセスしていく必要があるという。WANからも学びたいとデズリーはいう。広く世界とネットを張って、いまこそ情報を共有して行き、女たちが強くならなければ。
デズリーと一緒にUWCの中にあるGender Equity Unitのメアリーの所に行った。ここは1994年にジェンダー研究所として開所した。キャンパスで苦しんでいる女性たちの広場で、ここで開催されるセミナーや講演、演劇などを通して南アフリカの女性の状況を共有している。世界中からもフェミニストや研究者がやってくる。小さな家だが、大きな心のスペースで誰でもを迎え入れてくれる。