Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

鴨川の鴨

「鴨の中の一つの鴨を見てるたり」(高浜虚子)ではないが、鴨の大家族をじっと見ているといつしか一つの鴨に目が奪われることがある。鴨にもいろいろ種類があり、マガモのオスの緑色の首筋がなんとも美しい。

日増しに鴨の姿が増えてきたように思う。コガモも増えてきた。ここしばらく暖かい日がつづいているので、コガモカルガモの間を泳いでいる。マガモオナガガモヒドリガモなども、混じり合っている。必ずツガイで泳いでいるのも微笑ましい。ときどき川面すれすれに飛んで行くセグロセキレイの鳴き声はかわいい。なかなか敏捷なので近づくと飛び去る。

ケープタウンに住む南アフリカの友人は、ずいぶん昔に京都に遊びにきて、鴨川沿いのマンションに1ヶ月半も過ごした時に、鴨川にいる鳥たちに魅せられて、今は大のバードウォッチャーになった。
私は、南アフリカで何度が彼女に誘われてバードウォッチングにつきあわされたことがあった。ケープタウンからカラハリ砂漠までのおよそ3000キロの旅にもでたことがあった。森や林の中では宝物探しのように楽しかったが、喜望峰沖に海鳥のウォッチングに出かけた時は、ほんとうに大変だった。ミューゼンバーグの港から、コークベイ、サイモンズタウン、喜望峰への海岸沿いをボートが進んでいる間は、陸地も見えていて問題はなかった。さて、喜望峰から南下して陸からはなれてまわりは全くの海。荒波にもまれながら、海水すれすれを飛び回る鳥たちの姿をウォッチャーたちは楽しそうにカメラで追いかける。私は完全にダウン。船底に行き、トイレとベンチの間を行き来するだけ。約三時間のバードウォッチングが終わり、気がつけば港に戻っていた。陸に上がってみれば、気分はすっきりとし、何事もなかったかのようになっていた。

私は朝の散歩で出会う鳥たちの姿を眺めるだけで十分にたのしい。鴨川に集まる鳥たちの解説があちこちにあるので、なお鳥に親近感をもつようになった。まだ出会っていないのが、コサギゴイサギカワセミ等。