Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

シンガポール顛末記

 シンガポールの病院では、救急患者なので、点滴は廊下の隅っこで4〜5人と一緒にベッドに寝かされて受けた。とても親切だったし、医者の多くは若いインド系の人で、てきぱきとしていた。血液検査、心電図など一通りに検査を受け、支払いはS$99(日本円で約6000円)で、10日間のめまい止めの薬をいただいた。医療費がとても安いので驚いた。
 なんとかシンガポールを脱出するために不要なエネルギーを使わず、翌日もベッドに一日中横になっていた。そのお陰で、なかなか読めなかった南アフリカの若手女性作家(Zukiswa Wanner)の The Madamsという小説を読みはじめた。ポストアパルトヘイト時代になり、アフリカ人夫婦が白人のメイドを雇うという話。これまでは白人がアフリカ人をメイドに雇ってきた。この人種関係を通して新しく生まれ変わった南アフリカをどのように考えるのだろうか。作家自身も親の世代が南アフリカの解放のために闘ってきたが、子ども世代は海外で教育を受け、帰国後は新生南アフリカで不可能のない生活がエンジョイできる。そうした新しい視点から南アフリカ社会をどう読み解くのだろうか楽しみな本である。

 さて、7日の深夜1時半(正確には8日)の帰国便で関空へ。スターアライアンスマイレージを使って、ビジネスクラスに変更を願い出るが、これはまた大変だった。私がいつも使う南アフリカ航空は土日が休みで、電話も通じない(わざわざオフィスまでタクシーで確認に行った)。南アフリカの本社にメールを出すが、これも時差のため、うまく行かない。シンガポール航空南アフリカ航空の許可がないと駄目だという。結局エコノミーで無事に帰ってきた。
 8日の昼前に京都に着き、治療を受けられる救急病院を探す。京都府大病院に電話をかけると、京都市休日急病診療所に耳鼻咽喉科があるということで、そこに直行する。簡単な診察だけで終わった。9日は成人の日で休日のために、10日に京都府大病院に早朝から診察に出かけることになった。突発性難聴。早期治療を要す。即入院。京都府大病院には空きベッドがなし。入院する病院を探してもらい、タクシーで直行。そこでも診察。この間7時間。
 いったん自宅に戻り、コンピュータと簡単な身の回りのものを持参して本格的入院の始まり。「まな板の上の鯉」の心境で、あとは主治医の指示に従うしかない。点滴で治療に入るそうだ。