Mwenge Keikoのつれづれ日記

アフリカの人びとや文化の出会いを通して

4月9日 世界中から励ましのメールが

ケープタウンの友人からメールがくる。地震後の日本のニュースを読み、そのひどさに驚いて近況をたずねてきた。日本中が地震で沈没してしまっているのではないかという心配と、原発放射能の影響だ。日本中が放射能に汚染されてしまっているというイメージが世界中にある。
あちこちでも、花見自粛があいついでいる。昨夜に出席した京都大学のアフリカ地域研究資料センターの創立25周年記念パーティでも、自粛モードで「乾杯」ではなく「献杯」と黙祷を捧げた。とても重要なことだと思った。
いま、長くつづく鴨川沿いの桜並木はみごとに満開だ。桜の時期と新学期や企業の新入式が同じで、誰もが新たな人生の節目に襟をただす。私は桜の花をみるたびに、「私にとって桜は幸福の花」という宇野千代の桜への気持ちを思い出す。
どこかで、いつか宇野千代が桜と母の思いでを語っていた。貧しかった千代は子供時代に、桜の時期になると、母が弁当をもって、子供たちを桜の花見に連れ出したという。桜の花は、貧乏人にも金持ちにも平等に咲き、桜がぱっと咲き、ばっと散って行く。そのわずかな瞬間を見逃さないで生きてきたと話していた。それが、のちの千代作品のモチーフとして桜の花びらが散りばめられる。

通勤の途中で、通学の途中で、散歩の途中で足をとめ、桜にさまざまな思いを込めたいものですね。

[
上賀茂神社の古木の桜。

]
みごとなしだれ桜 「御所桜」